木は湿度の影響で結構歪むんだよね。
ギターのネックは普通に木だからどうしても反ってくる。
以下の方法で反りを確認してみて、ネックが反ってる場合はトラスロッドで調整する方がいいよ。
トラスロッドとは何なのか、回す方向や仕組み、構造も知っておく方がいいね。
あと、もし弦高を調整したことがなくて弦とフレットの隙間が5ミリ以上ある場合、トラスロッドで調整する前にギターの調整のページで弦高について触れてるからそっちも確認してみて。
ギターを正面に見て、ヘッドが手前側にネックが反った状態が順反り。
ヘッドが奥側にネックが反った状態が逆反り。
ギターのネックの反りは1フレットと最高フレットを押さえて、12フレットや丁度真ん中あたりの弦の高さを見て確認する。
ここに隙間がある場合は順反り、隙間がない場合は逆反りの可能性がある。
順反りの場合の弦とフレットの隙間は可能な限り0に近い隙間が理想的。
わずかに弦が浮いてるくらいならOKだけど、見るからに数ミリ浮いてる場合はトラスロッドで調整する方がいいね。
細かい事を言うと、1と5、5と12、12と最終フレットとか適当な幅でそれぞれ押さえながら中心の弦の高さを確認する。
そうするとネックのどのへんがどれくらい反ってるか分かるよね。
この反りは必ずネックの中心から反るわけじゃなく、例えば1〜7フレットまでは真っ直ぐなのに、7〜最終フレットが反ってるとかもあって、トラスロッドで調整するにしてもそんなに都合よく反ってる部分を調整できるわけじゃないんだよね。
だから致命的なほどの反りになってなければそれほど気にしなくてもいいよ。
ただそれは順反りの場合で、普通は少しくらい順反りだったとしてもギターを弾く分には特に支障はないんだけど、逆反りだと弦に当たるよね。
その場合はしっかりと調整しよう。
トラスロッドの仕組みについて。
ギターはネックの中にトラスロッドという金属の棒が入ってるんだけど、これを回す事でネックの反りを調整できる。
トラスロッドはネックの端と端が固定されてて、端のナットを回すと鉄の棒が出てきたり入っていったりするという仕組みで調整できるようになってる。
もともと曲がっている棒を引っ張ることで棒は真っすぐになっていき、ネックは逆反りになる。
逆に棒を押し込むと棒はさらに曲がっていき、ネックは順反りになる。
という仕組み。
ちょっと蛇足だけど、ギターの「トラスロッドの仕組みを間違って解釈してる」人すごく多いんだよね。
でもそれって間違ってるわけじゃなく、昔はそうだったんじゃないのって思う。
俺もずっとトラスロッドの仕組みを間違って覚えてたよ。
だって若い頃に読んだギターの解説書にそう書いてたからね。
今はトラスロッドでもいくつかの構造や仕組みがあるけど、どれも上のような引く・押すという仕組みになってるね。
すごく多いとは書いたけど、正確には年行ってる人に間違ってる人が多いだけかもね。
レスポールの場合、ヘッドにあるカバーを開けるとトラスロッドがあるのを確認できるからそれを回して調整する。
調整方法や回し方と回す方向は下でまとめて書くよ。
レスポールに限らず、他のギターでもこの辺に開きそうなカバーがあれば開けてみるといいよ。
できれば弦は全部タルンタルンになるくらいに緩めておく方がいいね。
トラスロッドを回す工具は六角レンチで、ギターにもよるかも知れないけど買った時に付いてるんじゃないかな。
付いて無くても家にあったりするし、ホームセンターにいけば置いてあるよ。
トラスロッドレンチというのもあって、それを使えば一番やりやすいんだけど、大体は普通の六角レンチで回せるよ。
もし今から六角レンチを買うのなら、持つところが少し長い方がいいよ。
ストラトキャスターの場合、ネックの下側に付いてるからボディーから外さないといけない。
だからこっちも弦はタルンタルンに緩めておいて、ボディー裏のネックを止めているネジ4本を外す。
付け根のところにトラスロッドが入ってるのが確認できるよ。
この場合、マイナスドライバーでトラスロッドを回して反りを調整する。
一応専用の工具も売ってて、そっちの方がトラスロッドを回しやすいから、何本もギターを持ってて良くメンテをするような人なら買っておくといいかもね。
アコースティックギターの場合は、サウンドホールからネックを見ると蓋とかがあるわけじゃなく、そこにトラスロッドがあるのが確認できるよ。
アコギも全部の弦をタルンタルンに緩めてからトラスロッドで反りを調整する。
調整方法はここを
順反りの場合は時計周り
逆反りの場合は反時計回り
それぞれの方向に回す。
結構硬いよ。
ネックを見ながら回しても曲がったかどうか分からないんだけど、トラスロッドを20度回すだけでも結構違ってくるから、1弦と6弦を緩くでいいから張って、ネックの反りを確認しながら少しずつ調整するといいね。
とにかく注意点は絶対に回しすぎない事。
最悪ネックがねじれたり、限界を超えるとトラスロッドの仕組みが壊れたりする。
なので必ず少しずつ調整しては反りを確認する。
どちらの方向にどれくらい回したかも覚えながらする方がいいよ。
トラスロッドが異様に硬い時もあるから、メガネレンチを継いで長さを稼いで回しやすくしたりもするけど、そこまで硬かったらリペアショップに頼む方がいいかもね。
特にトラスロッドのネジが錆び付いてるとかで無理に回すと取り返しのつかない事になったりもするから、その辺の判断は慎重にする方がいいよ。
ネックの反りが酷くてトラスロッドで調整できないという事は、木で出来てる以上どんなギターでもありえる。
もし大事なギターがそんな状態になってしまったら、直す事は難しいけど、それ以上なるべく反らないようにしたいよね。
・ 順反りの場合
面倒かもしれないけど、順反りが酷いなら弾かない時は弦はなるべく緩めておく。
特に長い間ギターを弾かないのであれば全部の弦はタルンタルンにしておきたいね。
あと、特にこだわりが無ければ細い弦に変える。
1本当たりの効果はしれてるけど、6本とも変えたら結構違うよ。
置いておく時はもしできそうならヘッドから吊っておく。
これとは別に弦高が高いならブリッジを低くする、ナットを削って低くする。
この場合特に1フレットに当たらないように気を付けなくちゃね。
・ 逆反りの場合
極端な逆反りって多分ないんじゃないかな。
俺が見た事無いというだけかも知れないけどね。
ちなみに極端なというのは、例えば7フレット押さえると12フレットに当たるというような感じ。
もしそんな状態なら弦は張ったままの方がいいね。
あとはブリッジを高くするしかないなぁ。
トラスロッド自体が金属だし、こういう仕組みになっているから、トラスロッドがネックの反りと同じように曲がってしまうと効果がなくなるよね。
そうなったら交換と言う手もあるにはあるんだけど、さすがに自分でするのはおすすめできないね。
大切なギターでどうしても直したいなら、やっぱりリペアショップで交換してもらう方がいいよ。
トラスロッドの仕組みや構造、交換方法を知りたいというだけならジャンクギター買ってきて分解するといいよ。
とまぁトラスロッドの調整方法や回す方向などを一応書いてはみたものの、実際のところ最近のギターで致命的なほどネックが反るものって見たことないんだよね。
ただ昔は酷かった。
昔の安いギターのネックってやたら反るし、トラスロッド回しても効果なかったりするんだよね。
その頃のダメなギターって見ただけで分かって、ハイポジションで弦とフレットの間がすごく広くて、まともに弾けたもんじゃないんだよ。
チョーキングすっごくやりにくい。
それと比べると今のギターは全然調整しなくてもいいくらい反らないよね。
安いギターでも結構大丈夫だし、昔の安いギターほど質は悪くないね。
そういうこともあって、順反りも逆反りも極端に酷くなければそのままでもいいと思うよ。
それこそ数年に1回反りの確認をするくらいでも十分だと思うね。
あと興味本位でトラスロッドを回す人も少なからずいると思うけど、ネジが動くのを確認するくらいで、どっちの方向にどれくらい回したかを必ず覚えておいて、必要がなければもとに戻すといいよ。
ネックの反りの調整が終わったら一応オクターブチューニングは確認しておく方がいいよ。
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