ここではピックアップの試作から、もしかしたらまともな物ができるかも知れないことを期待して、ギターに取り付けできるようにピックアップを自作してみるよ。
あと同じ事するなら注意点として、コイルの巻き数が少ない(抵抗値が低い)とギターアンプや回路に負担が行くから、それで壊れても責任全く持てないから自己責任でお願いするよ。
エレキギターと言えばピックアップが付いてるよね。
これが音を電流に乗せてギターアンプから出るようになってるんだけど、基本的な仕組みは意外と簡単だから知っておいても悪くないよ。
ピックアップは磁石の付いた磁気コイルとなっていて、発生した電流をアウトプットジャックから出力してる。
小学校の理科で電磁石を作ったことあるんじゃないかな。
あれと同じような原理だね。
ただ、電磁石はコイルに電流を流して磁石にしたんだけど、エレキギターは逆で磁気コイルから電気を作ってる。
詳しい説明は省くけど、磁力を持つ物の近くで磁気を持たせることができる物を動かすと、その動きによって電気を発電できるんだよね。
発電機とか自転車のライトで使うダイナモがそういう仕組みになってる。
で、エレキギターの場合「弦」が動くからそれで発電してる。
もちろん豆球すら光らすことの出来ない微弱電流なんだけど、音を乗せるにはそれで十分ってわけ。
本格的にピックアップを自作する前に、まずは超簡単に音が確認できるところまでやってみよう。
電気の通電するケーブルであれば別になんでもいいんだけど、細いエナメル線とかをドライバーにぐるぐる巻き付ける。
細い棒状の磁石があればその方が良かったんだけど、無かったからドライバーにしておいたよ。
一応これでも結構磁気帯びてるからね。
磁気帯びてないやつはダメだよ。
シールドに接続するから、エナメル線の最初と最後は被膜をむいておく。
ペンチとかで軽く挟んで引っ張るように何度もこすれば剥がれるよ。
右の写真のように片側をプラグの先端に、もう片側をプラグの根元に取り付ける。
シールドの反対側はアンプに接続ね。
出来たらアンプの電源を入れてみよう!
普段ギター弾いてる音量くらいまでボリューム上げておいて、コイルをギターの弦まで近づける。
この状態で弦をはじくとちゃんとアンプから音が出るよ。
ただ、コイルを結構弦ぎりぎりまで近づけないと音出ないかもね。
コイルの場所によっても音量違うね。
やってみたら分かるんだけど、音腐ってるよね!
さすがズボラピックアップ・・・。
手作りのピックアップでもちゃんと音が拾える事が分かったから、今度はもうちょっとまともに自作してみよう。
まず重要なのは、弦付近まで磁力を近づけなくてはいけない。
ピックアップ見てみると、弦1本ごとに鉄が出てるよね。
これと同じように土台となる物に、1本ずつネジを入れていこう。
ちなみに土台はパソコン背面のPCIスロット取り付け位置の金具を外した物を使った。
ピックアップのサイズを測ってみたところ、横70mm、縦18mm、ピックアップの芯は10.5mm間隔くらい。
まずピックアップの長さに合わせて少し短めに切る。
これくらいの厚みの鉄板ならニッパーで少しずつ挟んでよじれば簡単に切れるよ。
横幅は多分どれも同じだと思うけど、取り付けネジ位置とか芯の位置はどうも何通りかあるみたい。
面倒だから土台をピックアップに並べて印を付ける。
印を付けたところ6箇所をまずドリルで穴を開ける。
次にタップでネジ山を切る。
これが上側になって、コイルを挟むためにもうひとつ同じ物を作る。
でもこっちはネジ山は必要ないから大きめの穴を開けるだけにしておいた。
あと、取り付ける時に使うかもしれないから、まだ切らずに長いままにしておく。
このふたつにネジを取り付けたのがこの写真ね。
このままコイルを巻くとギチギチになってネジが回らないかもしれないから、紙を2週ほど巻いてからエナメル線を巻き付ける。
まともに自作しようと思うと多分これが一番手間もかかるしお金もかかるんじゃないかな。
市販のピックアップだと結構細い線を何千回と巻いてるらしいね。
実用できるピックアップが自作できるなら張り切って巻くんだけど、ディマジオとかダンカンとかのピックアップみたいにいい音が出るとは到底思えないから適当でいいかな。
気になったから巻き終わってから抵抗値測ってみたんだけど、2Ω!
スピーカーでも4Ωとかあるのに・・・。
本物のピックアップはシングルコイルで900Ωくらいあるよ。
どう考えても期待できん!!!
下側の土台を一度外してさっき入れた紙を抜く。
スッと取れればいいんだけど、特に両サイドは噛んでるから取れないね。
この紙別にこのままでもいいと思うんだけど、巻き数が少ないから取れる範囲で取っておいたよ。
外した下の土台をもう一度取り付けて固定するんだけど、面倒だから半端のエナメル線で縛っておいた。
本物のピックアップはピッタリの長さのボルト2本で固定してるね。
ピックアップが入るように、調整分を残して長すぎるネジを切る。
切るといってもこれくらいの太さならペンチ2本でひねればすぐ切れるよ。
あとは下側の土台の長さを調整して切るんだけど、これ別にいらなかったね。
というのも、初めから付いてるピックアップカバーの中に入れて、あとは下側にダンボールでも詰めて高さを調整すればいい。
ここからが自作ピックアップの一番の問題で、強力な磁石を取り付けるんだけど、いいのがなかなか無いんだよねぇ。
もちろん無駄に強すぎる必要はないんだけど、手頃なサイズがないというか、磁石ってあまりいろんな種類売ってないよね。
とりあえず手持ちの磁石をネジに引っ付けておく。
最低5cm、できれば6cmの細くて長い磁石がいるという事だけ覚えておいて、いずれ見つけた時に買うことにするよ。
ピックアップセレクターまでケーブルを接続するんだけど、先に音が出るか確認してみよう。
さっきと同じようにシールドに接続してアンプの電源オン!
コイルを近づけて弦を弾くと・・・、
ちゃんと音出てるよ!!!
しかも妙にファズっぽい歪み(というか音腐ってる)で意外にいい!
でも実用するかどうかとなるとさすがにちょっとかなぁ・・・。
(音も悪いけど、ネジを弦ギリギリまで近づけても音量が小さい)
フロントとかセンターで全く使ってないピックアップがあるなら、そこに付ける分にはいいよね。
ギター仲間に「これ、自作ピックアップ」とか言えば話のネタにもなるし、音腐ってたらそれはそれでおもしろい。
一応ピックアップとしての機能は果たせたんだけど、とにかくまともな磁石が無い、コイルの巻きが足りないというのが致命的だと思うんだよね。
だからどっちもいいのが見つかったら作りなおしてみようと思う。
電気工作系好きだとエフェクターやギターアンプを自作する人も結構いるんだけど、ピックアップを自作する人はすごく少ない。
今回自作してみて分かったのは、少しずつ巻き数変えながら音がどう変わっていくのか確認していかないといけないから、好みの音になるまで相当手間がかかりそう。
だからピックアップを自作する人が少ないんだろうね。
作り方は俺が適当に想像して作っただけなんだけど、考え方としては少しは参考にしてもらえるかな。
もっといい案あればそれで自作してみてよ。
ここではエレキギターの肝となるピックアップの仕組みと自作の仕方を書いてみたけど、全体の仕組みを知りたい場合はエレキギターの仕組みとメカニズムを参考にしてよ。
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